乾燥肌がひどく悩みの種になっている人と、そうでもない人がいるように、肌の乾燥には大きな個人差があります。
乾燥肌は、生まれ持った肌質や年齢、季節、生活習慣、日頃のスキンケアなど、さまざまな要因によって起こります。
乾燥肌そのものや、乾燥によって生じる湿疹などの皮膚トラブルから肌を守るためには、原因を知るとともに、保湿剤を上手に使用することが大切です。
ここでは、乾燥肌の主な原因から、保湿剤の種類、適切な使い方まで詳しく解説します。
乾燥肌になる主な原因
乾燥肌の原因はひとつではありません。肌質や体質だけでなく、年齢や季節、生活習慣など複数の要因が関係しています。
生まれ持った肌質・体質
乾燥肌には、家系的・遺伝的な要素も関係します。アレルギー体質の方、中でもアトピー性皮膚炎のある方は、乾燥肌が強い傾向があります。
性別による違い
男性は男性ホルモンの影響によって皮脂分泌が女性より活発なため、一般的には脂性肌と思われがちです。しかし、皮脂分泌が多いのは顔や頭、胸、背中などの皮脂腺が多い部位が中心です。
また、髭剃りなどの影響によって頬から顎にかけて乾燥しやすくなることもあります。
年齢による変化
乳幼児から学童期の子どもは、大人の肌に比べて角質層が薄く、皮脂腺も未熟なため、乾燥肌になりやすい特徴があります。
成人以降は、年齢とともに肌の水分量や保水機能が徐々に低下します。さらに、天然保湿因子や皮脂の分泌、セラミドなどの細胞間脂質が減少することで、乾燥しやすくなります。
季節による乾燥
冬は空気が乾燥するため、肌も乾燥しやすくなります。「夏の間は問題なかったのに、冬になると肌がカサカサしてかゆい」という症状が現れることもあります。
特に衣服とこすれやすい腰まわりや、すねなどは乾燥が目立ちやすい部位です。
食生活
バランスの取れた食事は、健康な肌を維持するためにも大切です。偏った食生活が続くと、肌の健康維持に必要な栄養素が不足し、肌荒れにつながることがあります。
疲れやストレス
疲労やストレスも肌の状態に影響します。生活習慣が乱れることで、肌の新陳代謝やバリア機能に影響を与え、肌荒れや乾燥につながることがあります。
誤ったスキンケア
肌を清潔にしようとして過剰に洗顔したり、体を強くこすって洗ったりすると、肌のバリア機能を損ない、乾燥を悪化させる原因になります。
乾燥肌の原因はこのように多岐にわたります。単純に「肌の水分が足りない」という問題だけではなく、複数の要因が重なっていることがあります。
保湿剤にはどのような種類がある?
手荒れや乾燥肌の改善に使用される保湿剤には、市販されているものから医療機関で処方されるものまで、さまざまな種類があります。
保湿剤は、その働きから大きく「エモリエント」と「モイスチャライザー」に分けて考えることができます。
エモリエントとは
エモリエントは、肌から水分が蒸発するのを防ぎ、肌の水分を保持して柔らかくする働きを持つものです。皮脂膜に近い役割を果たします。
代表的なものには、ワセリンなどがあります。肌の表面を覆うことで水分の蒸発を防ぎ、乾燥した肌を外部の刺激から守る役割があります。
モイスチャライザーとは
モイスチャライザーは、皮膚に水分を与え、乾燥から守る成分を補うことで保湿作用を発揮します。
保湿成分には、グリセリン、尿素、ヘパリン類似物質、ヒアルロン酸、セラミド、コラーゲンなど、さまざまなものがあります。
エモリエントとモイスチャライザーは、同じ保湿剤でも成分や作用、使用感が異なります。
どちらが優れているというものではなく、肌の状態や使用する目的、使用感などに合わせて選ぶことが大切です。
保湿剤を上手に使うためのポイント
乾燥肌や、乾燥によって生じる皮膚トラブルから肌を守るには、保湿剤をただ塗るだけではなく、適切な方法で継続して使用することが大切です。
保湿するタイミング
一般的には、入浴後は肌が乾燥しやすくなるため、入浴後の保湿がすすめられます。
ただし、必ず入浴直後に塗らなければならないというわけではありません。入浴後の保湿を習慣化し、無理なく継続することが重要です。
保湿剤の使用量
保湿剤は、少なすぎると十分に塗り広げることができません。一方で、必要以上に多く塗れば保湿効果が高くなるというものでもありません。
外用薬の使用量を示す目安のひとつに「FTU(フィンガーチップユニット)」があります。チューブから大人の人差し指の先端から第一関節まで出した量を1FTUとし、塗布量を考える際の目安として用いられます。
肌の状態や塗る範囲に応じて、適量をしっかり塗ることが大切です。
保湿する回数
保湿剤は一度塗って終わりではなく、肌の状態に応じて継続して使用することが大切です。
特に乾燥しやすい時期には、朝と夜など生活の中で保湿しやすいタイミングを決めておくと、継続しやすくなります。
ローションやクリームなどを使い分ける
保湿剤には、ローション、クリーム、軟膏、フォームなどさまざまな剤形があります。
使用感の好みだけでなく、使用する部位や季節によって使い分ける方法もあります。例えば、夏は使用感の軽いローション、冬はクリームを使用するなど、自分にとって使いやすいものを選ぶことが継続した保湿につながります。
乾燥肌が気になる場合は皮膚科へご相談ください
乾燥肌には、肌質や年齢、季節、生活習慣、スキンケアなどさまざまな原因が関係しています。
保湿剤を使用していても乾燥やかゆみが続く場合や、赤み、湿疹などの症状がみられる場合には、単なる乾燥肌ではなく皮膚疾患が関係していることもあります。
症状が改善しない場合には自己判断でケアを続けず、皮膚科へご相談ください。

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