札幌市中央区の皮膚科 宮の森スキンケア診療室

Column

院長コラム

パソコンと本を置いた明るいデスク

あなどれない”すり傷” 

お肌の科学ゼミ

お肌の科学ゼミ

新学期が始まりました。また入学式も終わりピカピカの新1年生が学校に通う季節となりました。
元気いっぱいの小学生のお子さんは、登校途中転倒したり休み時間にグランドを走り回ったりして顔や膝にすり傷を負うことがよくあります。傷が浅く保健室で対処可能なものから、傷が深く出血がありさらに砂が入り込んでいるものまでいろいろです。
もちろん自転車で転倒したり酒に酔って深夜に転倒したりと、大人も無縁ではありません。
しかしながら浅くて”たいしたことはない”と思われるすり傷も、処置方法を誤ったり治った後のスキンケアを怠たったりすると、予想外に傷跡が残ってしまうことがあります。
浅いすり傷でも、もちろん深いものであればな尚更ですが、大切なのは①「早く傷を治す」こと、②「治った後にできるだけ早く傷を元の状態に近づける」こと、そして③「紫外線対策」です。
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①「早く傷を治す」には湿潤療法が必要です。これは特殊な治療ではありません。簡単に言えば、傷を乾かさないで治療する、ということです。塗り薬をしっかり使用して被覆材(カットバン、ガーゼなど)で覆う治療のことです。昔は傷は乾かした方が良いと言われていました。今でも信じて疑わないご年配の方も多いです。
また、傷が感染を起こすと治りが遅くなります。遅いばかりか傷が深くなり痕が残ってしまうこともあります。早く治すには感染に気を付けるのも大切です。特に砂や土が入り込んだ傷はそのままにしておくと感染を起こしやすくなります。時に砂や土が皮膚内に残ってしまう(外傷性刺青)ことがあるので十分な砂の除去が必要です。
気を付けなくてはいけないのは、最近の流行りで密封療法というのがあります。大手のメーカーからも「貼るだけできれいに治る」とうたわれた創傷被覆材が市販されています。ある意味理にかなっている面はあるのですが、適応を誤ると(深い傷や土や砂に汚染された傷に使うと)感染を起こし傷が深くなりかえって悪化してしまうことがよくあります。実際そういう患者さんをたくさん診てきました。ご自身で治療する際は十分気を付けてください。
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②治った後は、皮膚に炎症が残り赤く浮腫むことがあります。また治ったばかりの皮膚は弱く再び傷に戻ってしまうことがあります。「治った後にできるだけ早く傷を元の状態に近づける」には適度な保湿と炎症を抑える必要があります。
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③治った後の赤く炎症を伴う皮膚は、紫外線の影響を受けやすい傾向があります。不用意に紫外線に当たると色素沈着を来しやすくなり、場合によってはシミのように残ってしまうことがあります。治った後の「紫外線対策」は極めて重要です。日焼け止めクリームや遮光テープの使用などが推奨されます。
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以上のように、すり傷はあなどれません。ご注意ください。
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<10/03/2021 札幌市 中央区 皮膚科 宮の森スキンケア診療室>

この記事の監修者

Introduction

宮の森スキンケア診療室 院長 上林淑人

上林 淑人

宮の森スキンケア診療室 院長

経歴

医学博士

平成2年 札幌医科大学医学部 卒業、皮膚科入局

平成4年 形成外科入局

平成6年 医学博士号取得。

旭川赤十字病院、室蘭市立病院に赴任

平成10年 宮の森スキンケア診療室 開院

専門・所属学会

  • 日本形成外科学会専門医
  • 皮膚腫瘍外科指導専門医
  • 日本皮膚科学会
  • 日本臨床皮膚科医会
  • 日本東洋医学会
  • 日本癌学会
  • 日本熱傷学会正会員


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